【線形代数学】フレネ・セレの公式とは?理系大学生が解説

大学数学

ムービングフレームについて

フレネセレの公式を理解する前に、ムービングフレームという考えを理解する必要があります。

 

ムービングフレームの定義

平面曲線 C(s)が存在するとする。ここで紹介するムービングフレームは平面曲線のものなので注意してください。

この C(s)に対して、e_{1}(s)=C{\prime}(s)

と置き、e_{1}(s)を反時計回りに90°回転されたベクトルをe_{2}(s)とします。

この2つのベクトル、 e_{1}(s),e_{2}(s)をムービングフレームとします。

ムービングフレームを図示するとこんなイメージ。

このe_{1}(s),e_{2}(s) は正規直交基底です。正規直交基底というのは \left( a _ { i } , a _ { j } \right) = \delta _ { i j }(内積)の計算を満たすa _ { i } ~ a _ { j }のことを指します。\delta _ { i j }i=j の時に1になるクロネッカーのデルタといいます。今回ですと、 ( i, j ), (1, 2) の唯一の組み合わせも0なので、正規直交基底となります。

曲率を理解する

曲率の定義

平面曲線C(s) に対して、

$$
\kappa ( s ) = e _ { 1 } ^ { \prime } ( s ) \cdot e _ { 2 } ( s )
$$

この\kappa (s)をこの平面曲線の曲率と定義します。

 

曲率が意味するものとは?

曲率は曲線の曲がり具合を表します。曲率が大きければ、曲がり具合が大きな曲線といったような意味をもちます。下の表に整理しておきます。

 

曲率が大きい 曲率が小さい
曲がり具合が大きい 曲がり具合が小さい

 

ちなみに今回の曲率の定義以外にも曲率を表すことができ、その定義は「曲率の絶対値=曲率半径の逆数」です。こちらの方が有名かもしれません。曲率半径の定義は以下の通りです。

 

\mathbf { t } ( s ) = \lim _ { \Delta \theta \rightarrow 0 } \frac { \Delta s } { \Delta \theta }

 

ここで曲率半径と曲がり具合の関係を整理しておきます。

 

曲率半径が大きい 曲率半径が小さい
曲がり具合が小さい 曲がり具合が大きい

 

フレネ・セレの定義

 平面曲線C(s)の

$$
\left\{ \begin{array} { l } { e _ { 1 } ^ { \prime } ( s ) = \kappa ( s ) e _ { 2 } ( s ) } \\ { e _ { 2 } ^ { \prime } ( s ) = – \kappa ( s ) e _ { 1 } ( s ) } \end{array} \right.
$$

 

$$
\frac { d } { d s } \left( \begin{array} { c } { e _ { 1 } ( s ) } \\ { e _ { 2 } ( s ) } \end{array} \right) = \left( \begin{array} { c c } { 0 } & { \kappa ( s ) } \\ { – \kappa ( s ) } & { 0 } \end{array} \right) \left( \begin{array} { c } { e _ { 1 } ( s ) } \\ { e _ { 2 } ( s ) } \end{array} \right)
$$

 

公式を見ると、曲率がわかると、ムービングフレームのベクトルの微分を求めることができる。

フレネ・セレを証明する

曲率の定義式を用いると簡単に証明できる。

 

$$
\kappa ( s ) = e _{1}^ { \prime } ( s ) \cdot e _ { 2 } ( s )
$$

$$
e _ { 1} ^ { \prime } ( s ) = \kappa ( s ) \cdot e _ { 2 } ( s )
$$

 

次にムービングフレームの内積を微分する変形を施し、証明することができる。

 

$$
\frac { d } { d S } \left( e _ { 1 } ( s ) \cdot e _ { 2 } ( s ) \right) = e _ { 1 } ^ { \prime } ( s ) \cdot e _ { 2 } ( s ) + e _ { 1 } ( s ) \cdot e _ { 2 }^{ \prime } ( s )
$$

$$
= \kappa( s ) + e _ { 1 } ( s ) \cdot e _ { 2 }^ { \prime } ( s ) = 0
$$

$$
e _ { 1 } ( s ) \cdot e _ { 2 } ^ { \prime } ( s ) = – \kappa ( s )
$$

両辺にe _ { 1 } を掛けます。正規直交基底であるためe _ { 1 } \cdot e_{1} = 1 となります。なので最終的には以下の形式なります。

$$
e _ { 2 } ^ { \prime } ( s ) = – \kappa ( s ) \cdot e _ { 1 } ( s )
$$

よって行列式の形に直すとフレネ-セレの公式の形になります。

 

おすすめの参考書

今回の記事で書いたような微分幾何学の基本を学びたいと考えている方は大学のゼミの授業でも扱った以下の参考書をおすすめします。解説コメントが多く本当にわかりやすいです。

 

 

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